1981年7月、友人のN君と夏に予定している東北ツーリングの予行演習を兼ね野麦、乗鞍、上高地を巡る計画で出掛けた。
持ち物はテントとクーラーボックス(BBQの食材とビールを途中で調達するため)
R19を北上し木曽福島からR361へ、途中通行止めがあり林道へ迂回。
野麦峠は霧が深くて何処を走っているのか解らない。
奈川まで下り乗鞍スーパー林道を上る。この頃スーパー林道は有料だった。
乗鞍高原の乗鞍国民休暇村の一ノ瀬キャンプ場(2017年にクローズ)に泊まることとなった。この頃は管理人も居て300円程の管理費を払ってキャンプが出来た。
BBQセットなど持っていないので石で釜戸を作り薪を燃やしその熾で肉を焼く、網だけは持参した。カレーも作った覚えがある。 早速宴が始まった。肉とビールは木曽福島で買い、そして林道を走って·····ビールの状態なんぞ容易に想像できる、泡だらけのビールで乾杯、でも肉は美味しく存分に楽しんだ、最高だね！。 酒 も回り腹もいっぱい、いい気分だ。
だが珍騒動はここから始まった。辺りは暗くなり、テントに入ろうか、としている頃、なんとテントサイトに牛が入ってきた。隣に牧場が有りそこから迷い混んだようだ。テントが立ち並ぶなかロープに足をひっかけることもなくサイトの中央までのしのしと入ってきたのだ。私たちのテントのすぐまえまで来た。テントを潰されたら困る、カレーで使わなかったジャガイモを牛の鼻先に出しなんとかサイトの外まで誘導した。
↑ 後ろのボックスにはビールが
翌朝はスーパー林道を白骨温泉方向へ、朝早いせいか凄く寒い。R158にでて上高地方向へ、しかし上高地は一般車通行止め。昨日から夏のマイカー規制が始まったのだ。残念無念‼️ 当時は通年規制ではなく夏のみの規制だった。
気を取り直し安房峠を越え高山方面へ向かう。これも今と違うのは、安房トンネルは当時無かった。
かなり時間をかけたようで高山に着くのは昼を大分過ぎそうだし、今日中に名古屋に帰るには高速道路も未だ無い時代、結構きつい。
それに何より昨夜のキャンプの楽しさが忘れられない。「もう一泊したいね」、どちらが言い出したか覚えていないが二人とも同じ気持ちだった。
飛騨高山キャンプ場と言うところが近くにあるらしい。
食材、ビールはロッジで全て調達できた。
早速石を集めて釜戸を作り、薪を集めて焚き火の準備。火を付けるのも慣れてきた茶色になった杉の葉っぱがあれば完璧に一発着火できる。
今夜の飯はすき焼き。十分食べて飲んで満足した。
余ったすき焼きは翌日の朝残りの材料を入れて食べることのした。
翌朝すき焼き鍋の蓋を開けると蟻の行列。「そうだろう、旨いだろう？でも退いてくれ、さもないと火を着けるから熱くなるぞ❗」。 溺れている奴らもいるので温める前にスプーンで掬い上げる、いや救い上げてやった。
楽しかった３日間、予行演習もしっかりできた。よかった、よかった。明日からまた日常が始まるが次のツーリングまで頑張ろう‼️
おわり
